こんばんは
言わずと知れた連続増配銘柄の一つ、 P&G(PG)から配当金を受け取りました。
1株あたりの配当金は0.689$、僕は180株保有しているので税引後の受取額は89.04$でした。これで今年の累積配当金は2512.21$に、米国株投資を開始して以来の累積配当金は4195.33$となりました。
P&Gの改革は吉と出るか凶と出るか
近年のP&Gの成長は芳しくなく、この問題は大株主のファンドによる取締役 の置き換えにまで発展するところでした。実際にはPGの大株主トライアンのトップであるペルツ氏は僅差で取締役への就任は暫定的には逃したわけですが、これについてもまだ最終的な結果は発表されていません。
PGは企業としての成長を回復させるべく製品ラインナップのスリム化とコストカットを進めてきました。P&Gは従来16カテゴリ170ブランドにも及ぶ製品ラインナップを保有していましたが、現在ではそれは10カテゴリ65ブランドにまで縮小され、ラインナップに集約が進められました。
今回のブランド整理にあたり、売却されたのは成長の余地が少なかったり、マージンの低かったりするブランドでした。その一方で、従来からP&Gの製品として中心的位置付けにあったTideやCrest、Pampersなどは引き続きP&Gのブランドとして生き残ることになりました。
さらに、コストカットについてもP&Gは積極的に推し進めています。2012年から2016年にかけて100億$ものコストカットに成功した他、2017年から 2021年までの期間にさらに100億$のコストカットを見込んでいます。
この改革により、P&Gはより低コストでマージンの高い、効率的な企業へと生まれ変わったことになります。
P&Gの最大の強みは、そのブランド力です。
たとえばTideは洗濯用洗剤ですが、2017年7月における米国内のシェアは41%でした。これは洗濯用洗剤における米国内シェア1位です。他にもペーパータオルのBountyやカミソリのGillette、食器用洗剤のCascadeなど、多くの製品が米国でシェア1位を獲得しています。
さらに、P&Gは売り上げの約半分を米国外から得ていますが、企業全体の売り上げの約15%は中国やインド、アフリカや中東などの今後の成長の見込まれる市場からのものです。その他の国も含めると、企業全体の売り上げの約1/3は新興国から得ているものであり、これらの市場が今後の成長の基盤となることは十分に考えられます。
P&Gは強いブランド力があり、今後の特に新興国における成長を見込むことのできる企業です。さらに、2017年度の配当性向は約50%と増配の余地はまだ残されています (EPS 5.59$、年間配当 2.718$)。P&Gは今後も成長を続けることのできる企業だとは思いますが、その一方では目立った新製品の開発が進んでいないという点は強調する必要があると思います。
P&Gの改革は一応の完結を見ましたが、今後この改革がどのように数字に表れてくるかは注視が必要なところです。
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