ヘルスケアセクターに投資するならMDTはアリだと思う

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こんにちは、ヘルスケア銘柄比較の2回目です。

今回で時価総額1000億$を超えるMega-Cap銘柄を一通り調べたことになります。

前回はJNJとPFEを比較しました。

(と思ったのですが、記事が予想外に長くなってしまい、途中で切ってしまいました。

この記事はMRK、MDTをカバーしています。)

本記事は少し長いですが、ご参考になれば幸いです。

MRKはシーゲル銘柄ではあるが、キイトルーダ次第?

メルク(MRK)は2016年の製薬会社売り上げランキングで世界の第4位に位置する企業です。(1位はファイザー、2位はロシュ、3位はノバルティスでした。)

世界第4位にランクインする大企業ではありますが、その成長は芳しくありません。2012年には472億$だった年間売り上げは毎年減少し続け、2016年には約400億$にまで落ち込みました。

MRKはPFE同様にダウ工業平均株価の構成銘柄です。

連続増配年数は6年ですが、それ以前も大きな減配があったわけではありません。何よりも MRKはシーゲル銘柄と呼ばれる銘柄の一つです。シーゲルの著書「株式投資の未来」によれば、1957年から2003年におけるS&P500の平均年間リターンは約11%であったのに対しメルクは15.90%でした。ちなみにファイザー(PFE)も同程度のリターンで16%です。

もちろん今は21世紀であり、製薬に関わる科学は20世紀のそれとは比べ物にならないほど変化しています。そのためMRKもPFEも過去のリターンが今世紀にも実現できるかは判断が難しいと思います。なので、過去のリターンはあくまで参考です。

 主力商品だったレミケードは特許切れ

2016年の世界での医薬品売り上げランキングを見ると、MRKの製品で最も売上高があったのは5位にランクインしたレミケードでした。これはクローン病やリウマチに使われる分子標的治療薬で、その売上高は12.7億$でした。この薬はすでに特許が切れており、いわゆるバイオシミラードラッグの出現によりその売り上げ高が大幅に減少しています。ちなみにそのバイオシミラードラッグはファイザーの”Inflectra”とサムスンバイオエピスの”Renflexis”です。他の企業もこれに追随する可能性が高く、メルクがレミケードで得ていた利益が今後激減するのは間違いありません。

MRKの製品でトップ15にランクインしたのはレミケードだけです。

ただ、売上高が10億ドルを超えるいわゆるブロックバスターと呼ばれる薬剤をMRKは他にも持っています。

その中でも特に売上高があるのがジャヌビアと呼ばれる比較的新しいタイプの2型糖尿病治療薬です。この薬剤は競合相手も多いのですが、コンスタントに40億$以上の売り上げを稼いでいます。よく言えばコンスタントですが、横ばいと言えば横ばいです。MRKの現時点での主力と言っても良いでしょう。

また、キイトルーダとよばれる薬剤はPD-1阻害剤と呼ばれる種類の薬で、新しいタイプの抗がん剤です。こちらは売り上げは伸びていますが2016年の売り上げは14億$と、単剤でMRKの業績を回復させるほどの伸びはまだ見せていないように思われます。今後の同薬剤の売り上げが気になるところです。

開発パイプラインには糖尿病治療薬や癌治療薬などが並んでいますが、昨日も述べたように臨床試験に達した薬剤でもその全てが市場に出回るわけではありませんので、パイプラインをみて将来の業績を予想するのは難しいです。(専門家ならできるのかもしれませんが。)

結局のところ、現時点ではMRKの業績向上はキイトルーダ次第といって差し支えないと思います。ちなみに2017年の1Q単独でキイトルーダの売り上げは約6億$でした。単純計算では年間で20億$を超える売り上げです。2016年の通年の売り上げが14億$でしたので、その成長は凄まじいです。開発パイプラインを見てもMRKはキイトルーダの適応の拡大に注力しており、いかにこの薬がMRKの運命を握っているかがわかると思います。

MRKは現在65$/share前後で、PERは41.81です。

いろいろ調べて見ましたが、少なくともJNJやPFEを上回る安定感はないと思います。

メドトロニックは製薬ではなく、機器メーカー

メドトロニック(MDT)は今まで紹介したJNJやPFE、MRKとちがって、純粋な機器メーカーです。

配当貴族の一員で、その連続増配年数は39年にも及びます。また連続増配年数だけでなく、その増配率も注目すべきです。39年間の平均年間増配率は18%であり、ほぼ5年で配当が2倍に成長した計算になります。

2017年の売上高は前年比3%増加の297億$でした。

売上高は年々伸びており順調な推移ですが、コスト増もあり最終的なEPSは一進一退といったところです。

MDTはその事業を4つのグループに分類しています。Cardiac and Vascular Group、Minimally Invasive Therapy Group、Restorative Therapies Group、Diabetes Groupの4つですが、それぞれ心臓ペースメーカー、低侵襲手術器具、脳神経系の手術器具、糖尿病治療機器などを担当しています。

Cardiac and Vascular Groupの2017年の年間売り上げはおよそ100億$で、企業全体の35%を占めます。同様にMinimally Invasive Therapy Groupも33%程度、Restorative Therapies Groupが25%程度、Diabetes Groupが残りの7%ほどです。地域別では、米国内が売り上げ全体の56%、米国外が44%であり、ほぼ半々となっています。

昨年、この4つのグループはすべて3-6%ずつ成長しており、バランスのとれた成長でした。また、2017年5月からの1年間(FY2018)では特にDiabetesが大きく成長すると見込まれており、その成長率は10-12%とされています。

また、ガイダンスでは2018年の総売り上げを4-5%の成長、EPSを9-10%と見込んでいます。

糖尿病事業は今は小さいが今後の成長は要チェック

メドトロニックの糖尿病治療におけるアドバンテージは、同社が持つインスリンポンプと持続グルコースモニタリング(CGM)の技術にあります。

糖尿病治療でインスリンを使用する場合、家庭でのインスリン注射は最大でも1日4回が限度です。そのためどうしてもインスリンの血中濃度は実際の健康人のインスリン血中濃度のパターンとは乖離し、血糖値のコントロールにはある程度の限界がありました。

インスリンポンプはその1日4回という制限を突破するために使用される技術です。これはインスリンを必要に応じて持続的に注射できるため、これまで以上に自然な血中インスリン濃度のパターンを作ることができます。

また、血糖値測定に関しても従来は指先などに小さな針を刺して専用の測定器で行う必要がありましたが、CGMは機器から出る針を皮下に入れておくことで持続的に血糖値を測定し続けることができるようになります。

さらに、両機器を連動させることで、より良好な血糖値コントロールを行うことができるようになります。

この分野もライバル企業アボットの参入などがあり競争は今後激化していく可能性があります。

糖尿病は市場が巨大で、今後も患者数は増加していくことが予測されていますのでMDTもその恩恵を受けていくことができるでしょう。

MDTは製薬会社ではなく医療機器専門メーカーですので、多くの製薬企業とは競合しないと考えます。増配歴も長く、競合できるような同規模の医療機器メーカーは少ないです。

もしヘルスケアセクターに複数銘柄投資したいのであればMDTは悪くないチョイスだと思います。

本当はABBVも本稿でカバーしたかったのですが、記事も長くなってしまったので一旦ここで切ります。すみません。
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